ワークセンターとは?障害者の就労の悩みを解決するサービスを解説
ワークセンターでは生活に苦労している人が支援を受けられます。
ワークセンターでどのようなサービスを受けられるのかを詳しく知りたいと思っていませんか。
この記事ではワークセンターの種類と特徴、代表的なワークセンターの支援内容を紹介します。
ワークセンターで支援を受けるときの注意点もまとめたので、利用する前に確認しておきましょう。
ワークセンターとは?種類と特徴
ワークセンターとは、障害者や生活困窮者などの自立を支援する施設です。
ワークセンターと呼ばれる施設・サービスにはワークスペースもあります。
ここでは3種類にワークセンターについて概要と特徴を紹介します。
障害者福祉施設のワークセンター
障害者向けの福祉施設の一種として、ワークセンターが全国各地に設置されています。
障害者福祉施設のワークセンターとは、障害者が就労を通して自立できるようになることを支援する施設です。
介護が必要な状況で生活が苦しい状況になっていて障害者や家族を支援する目的もあります。
社会福祉法人が運営していることが多く、就労にかかわるサービスの利用時には障害者自立支援法に基づく利用者負担金(1割)を支払うのが一般的です。
自立支援のためのワークセンター
自立支援のためのワークセンターとは、高齢者や生活困窮者の雇用促進や生活支援を通して社会を豊かにする取り組みをしているサービスです。
代表的なのが公益財団法人ソーシャルサービス協会ワークセンターです。
同財団では市民から集めた衣料品や日用品などを生活困窮者に提供したり、月に一回の炊き出しを開催したりして支援をしています。
自立支援センターを運営するなど、雇用機会の創出に向けた取り組みもしています。
生活困窮者のための宿泊施設「ソーシャルホーム」も運営していて、自立を目指したいと考えている生活困窮者を支えているサービスです。
ワークスペースのワークセンター
ワークスペースの名称として「ワークセンター」が付けられている場合があります。
ワークスペースとしてのワークセンターとは、会議室や多目的ホールなどの仕事に使える部屋をレンタルできるサービスです。
時間貸しで利用できるのが一般的で、パソコンやプロジェクター、モニターなどの設備や備品なども借りられるサービスもあります。
コワーキングスペースになっていて、交流をしながら働ける環境が整っているワークセンターもあります。
インターネット環境が整っているため、テレワークをする仕事場として活用されているサービスです。
障害者福祉施設のワークセンターにおける主な支援内容
障害者は仕事を得ることが難しくて生活が苦しくなる場合が多いでしょう。
ワークセンターを通して働けるようになれば自立して生活できるだけでなく、暮らしを豊かにできる可能性があります。
ここでは障害者福祉施設のワークセンターが提供している支援内容を紹介します。
就労継続支援
就労継続支援とは、一般企業に雇用されて働くのが難しい障害者を対象として、働く機会を与えて就労に必要な知識や能力の向上を目指すための支援をするサービスです。
仕事をする機会がないとスキルアップが難しく、加齢に伴って就労が困難な状況が続く原因になります。
就労継続支援は障害者に対して継続的な支援をして、働ける環境を提供することが目的です。
就労継続支援にはA型とB型があります。
就労継続支援A型とは、就労先と雇用契約を締結して働く仕組みで障害者の就労場所を長期的に提供する支援事業です。
就労継続支援B型とは、ワークセンターに通所して作業をおこなう仕組みで作業経験を積んで成長を促す支援事業です。
就労継続支援A型と就労継続支援B型の違いは雇用契約の有無です。
A型なら雇用契約があるので最低賃金が存在しますが、B型では最低賃金はありません。
B型では工賃という形で仕事内容に応じた賃金が支払われます。
B型から始めてA型にステップアップし、一般企業での採用を目指すというキャリアパスを考えて就労継続支援を受けるのが一般的です。
就労移行支援
就労移行支援とは、一般企業に雇用される可能性がある障害者を対象として、就労のための知識や能力の向上のための訓練を提供するサービスです。
就労移行支援ではトレーニングを受けて就職に成功したときには、定着のためのアフターフォローも受けられます。
就労移行支援では就職を目指すことが大命題になっているため、就労継続支援のように賃金を受け取れることは基本的にありません。
また、2年間が上限期間になっているため、就職が困難だったときには就労継続支援に切り替えるといった対策が必要になります。
自立訓練
自立訓練とは、身体機能や生活能力が不足していて自立した生活を送るのが難しい障害者を対象として、心身の機能の改善や、お金や健康などの管理をする能力を身に着けるための支援をするサービスです。
自立訓練は生活訓練と機能訓練に分けられていて、目的や状況に応じて選択が可能です。
ワークセンターに通所あるいは宿泊をして訓練を受けます。
基本的なプログラムが組まれているので、その内容に従って改善を目指します。
日中一時支援
日中一時支援とは、障害者のいる家庭を対象として、障害者が昼間に一時的な活動をするための場所を提供するサービスです。
日中一時支援の支援対象は障害者でもありますが、家族の障害者ケアに休息期間を与えることが主な目的です。
家族が障害者の就労や介護をしている状況から、一時的にワークセンターに任せることで、ひとときの休憩時間を得られます。
家族に過度な負担がかかっている状況を改善するための支援事業です。
ワークセンターの就労支援を受けるときの注意点
ワークセンターで就労支援を受ければ仕事を手に入れてお金を稼げる可能性を切り開けます。
ただ、ワークセンターの利用時には注意点があるので押さえておきましょう。
目的に合わせて施設・サービスを選ぶ必要がある
ワークセンターは目的に合わせて選ばなければ意味がありません。
就労を目的とするなら、どのような仕事ができるかを調べましょう。
施設によって従事できる仕事が異なるからです。
また、賃金を得ることが目的なら、仕事内容やサービスによって賃金や工賃に違いがある点に注意が必要です。
短期的には就労継続支援を受けると賃金を速やかに受け取れるメリットがあります。
しかし、長期的な視点では就労移行支援を受けて就職した方が高い賃金で働ける可能性もあります。
どのサービスが適しているかは目的に合わせて決めることが大切です。
ワークセンターの利用には料金がかかる
ワークセンターを利用すると料金がかかります。
基本的には1割負担なので大きな金額にはなりませんが、就労継続支援を受けて賃金をもらっても、一部は料金の支払いに使わなければならないので注意しましょう。
ワークセンターの利用料金は施設によって違いますが、障害者福祉サービスの自己負担額は最大で月額37,200円です。
生活保護世帯や市町村民税非課税世帯では料金負担はありません。
市町村民税課税世帯の場合には9,300円が上限になっています。
ただ、ワークセンターではイベント参加費などの障害者福祉サービスの対象外になる活動をしている場合もあります。
この参加費は全額負担になるので注意が必要です。
まとめ
ワークセンターとは、障害者や生活困窮者を支援するサービスです。
就労機会を提供することが主な目的で運営されています。
就労継続支援では利用料金はかかるものの、働いた分の賃金を受け取れるメリットがあります。
無職で働いていない状況の方はワークセンターに相談して就労継続支援を受けることを検討してみましょう。